サンジェルマンの想い出 : ケストラーとの会話

本稿は、アーサー・ケストラーを紹介し、1977 年に実施したケストラーへのインタビュー、筆者の見解を提示している。インタビューの主な目的は、ケストラーが1946 ～1948 年にパリで出会った知識人（アルベール・カミュ、ジャン＝ポール・サルトル）との思い出を残すことにある。ケストラーはカミュの人格、イデオロギーへの疑念、思想について詳細に述べ、カミュに対してスターリニズムへの批判を促したことを想起した。彼はまた、スターリニズムの瘰癧にもかかわらず、サルトルがフランス共産党への支持を表明したことについても言及した。ケストラーは両者とは異なる政治観を有していたが、本インタビューによりカミュとサルトルの文学作品を称賛していたことが明らかになった