DNA分析によるアニジマイナゴの食性解析

アニジマイナゴは、2011年に新属新種として記載されたバッタ目イナゴ科イナゴ亜科に分類される昆虫である。小笠原諸島の兄島と弟島のみで分布が確認され、特にシマイスノキを主体とした乾性低木林に生息している。これまでに、本種は与えられた木本植物の中ではシマイスノキのみを食べることが飼育実験下で明らかにされていた。そこで本研究では、野外で本種の糞を採取し、DNA抽出・遺伝解析を行った。その結果、本種の糞に含まれる植物由来のDNAとして、シマイスノキのみが検出された。これは飼育実験下の状況と一致しており、野生環境下においてもシマイスノキのみを食餌植物としている可能性が高いことを示唆している