背景 老年看護の実習効果については、学生の学びの内容と、老年看護の実習を迎えるまでの準備段階との関係が明らかになっていない。老年看護学実習の課題達成のためには、領域を超えて経験する基本的な実践能力の形成も影響すると考える。そのため、老年看護実習までに経験した他領域の実習との関係を調査することとした。 目的 老年看護実習における学生の学びを、実習終了後の学びのレポートよりテキスト分析して評価するとともに、実習までの他領域実習経験数に応じた学びの特徴を明確にする。 方法 老年臨床看護論実習を履修したA大学の学生56名を対象に、老年臨床看護論実習記録における「実習で学んだこと」についての自由記述をテキスト分析した。 1)テキスト分析により抽出したデータを01型データとみなし、コレスポンデンス分析を適用した。 2)老年臨床看護論実習までに経験した他領域の臨床看護論実習数を 「初期」 「中期」 「後期」 として群別し、コレスポンデンス分析により、経験した実習数により学びに特徴的なカテゴリーがあるか、それぞれの関係性を視覚的に表現することを試みた。 結果 分析の結果4っの特徴的な学びのグループ、① 【病気-特徴】、② 【理解-関わる-思う-大切】、③ 【今-情報】、④ 【高齢者-援助-中-できる-持つ】が形成された。また実習初期群はグループ① 【病気-特徴】およびグループ② 【理解-関わる-思う-大切】の記述が多く、実習後期群は「アセスメント」「合う」「難しい」「看護」の記述が多いことを示した。 結論 今回の調査で4つの学びの特徴が明らかになった。この学びは人の発達段階に関係なく看護全般において必要な学びであると同時に、対象が高齢者であるたあに強調された学びであったと考えられた。また実習...