目的 クリニカル・ラダーは,看護師のキャリア開発支援の一方法として開発・導入されている。また看護師個々の臨床実践能力や学習ニードに適した継続教育を行うための有用なツールであるといえる。しかし, ラダーの有効性の実証は未だ十分とは言えない。よって本研究は看護師のラダーに対する認識を明らかにすることを目的に,質的記述的な分析を行った。 方法 クリニカル・ラダーを採用しているA病院に勤務している看護師を対象に, 「クリニカル・ラダーに改善が必要なところ」について無記名で自自記述を依頼した。倫理的配慮として,研究対象者には書面において研究の趣旨などを含む6項目について説明を行った上で,対象者の自由な判断に基づいて,研究に同意するか辞退するかを決定できることを保証した。尚,質問紙調査の回答が返信されたことを研究への同意とした。分析は,内容分析を用いて行った。 結果 記述内容から165記録単位, 18サブカテゴリー, 4カテゴリーが抽出された。看護師は,クリニカル・ラダーについて【研修・課題に関すること】, 【評価・認定に関すること】, 【負担が大きい】こと, 【画一的なシステム】である点について改善が必要であると認識していた。 結論 看護師のクリニカル・ラダーに対する認識を明らかにするために調査を実施した。今回は「クリニカル・ラダーに改善が必要なところ」についての自由記述を分析した。その結果, 165記録単位から18サブカテゴリー, 【課題・研修に関すること】, 【評価・認定に関すること】, 【負担が大きい】,【画一的なシステム】の4カテゴリーが抽出された。【研修・課題に関すること】では, ことに改善が必要であるとの認識が高かった。【評価・認定に関すること】は6サブカテゴリーから成り,...