インターネットにおける流言拡散防止のためには,情報閲覧時のユーザに対し,真偽確認を促進することで,不用意な情報拡散を防ぐことが重要である.我々はこれまでに,ユーザに対し,流言の存在に関する気づきを提供し,真偽確認を促進するシステム「RumorFinder」の構築を行ってきた.本研究では,効果的な真偽確認促進および役に立つ情報の提供について検討するため,システムの一般公開を行ったうえで,利用データの収集および分析を行った.分析の結果,以下の点を明らかにした.(1)ユーザは吹き出し表示による真偽確認を行っており,本システムはユーザに対し,真偽確認を促進することができる可能性がある,(2)情報の真偽に関心を持ちうるユーザについては,現状のシステム仕様であっても長期利用による注意の怠りは生じず,流言の内容などに応じてシステムが活用される可能性がある,(3)一定期間後にシステムを利用しなくなった可能性があるユーザが見られており,多数のページにおいて流言検出・強調表示がされたことが,煩わしさや不快感を与え,その一因となった可能性がある.(4)真偽確認行動に遷移した流言とそうでないものを比較した結果,何らかの真偽確認行動に遷移した流言は,ある程度内容の把握が可能であるが,不足情報は一部にとどまる.吹き出し表示をしても何らかの真偽確認行動に移らない流言は,複数の事項が不明確であり,内容の特定に複数回の検索が必要になる可能性がある. In order to prevent the spread of groundless rumor on the Internet, it is important to prevent the inadvertent spread of informatio...