金沢大学附属病院【研究目的】近年, 高リスク前立腺癌に対する125-I Brachytherapy(SEED)併用強度変調放射線治療(IMRT)の有効性が報告されている. IMRTの最適な線量制約を定義するためには, 「SEED線量とIMRT線量の合算線量」と「正常組織の有害事象および治療成績」との相関を検討する必要がある. しかし, 治療体位の違いや臓器位置の違いによる線量合算の正確性および精度低下の問題が指摘されている. 本研究では, 画像処理技術である非剛体レジストレーション(DIR)を使用した線量合算を実施し, その精度向上を検証すると共に, 有害事象の評価結果とDIRによる合算線量との相関性の検討により, 当該治療法におけるIMRTの最適な線量制約を導出することを目的とした.【研究方法】当該治療法が施行された15症例を対象とした. DIRによる線量合算の精度評価として, SEED輪郭のDice Similarity Coefficient(DSC)を算出した. さらに, DIRによる線量合算と従来法である剛体レジストレーション(RIR)による線量合算との精度を比較した. また, 有害事象の評価結果とDIRによる合算線量との相関性を検討するため, 国際前立腺症状スコア(I-PSS)を取得し, このI-PSSと合算線量の相関の有無を検討した.【研究成果】SEED輪郭における平均DSCは, 骨照合によるRIRで0.17±0.25, DIRで0.55±0.20であった. DIRによる画像変形がRIRと比べて有意に高精度であり, 線量合算に最適であることを実証できた. しかし, DIRを使用した合算線量とI-PSSには統計学的に有意な相関は得られず, IMRTの最適線量制約の...