名古屋大学 / 金沢大学理工学域数物科学系Kaiタンパク質の動的相互作用: KaiCのリン酸化状態に依存してKaiAとの相互作用が概日周期的に変動することを見出した(Phase Dependent Differential Affinity: PDDAと名付けた )。KaiCのリン酸化概日周期について、実験で得られたパラメーターを用いて数理シミュレイションを行い、PDDAが概日周期にどのような影響を及ぼすのかを調べた。PDDAが無い場合には、KaiAとKaiCの濃度比が変動すると概日周期が消失するのに対して、PDDAがある場合には概日周期が維持される濃度比が3倍程度大きくなった。このことから、PDDAは細胞内でのタンパク質濃度の揺らぎに対するKaiシステムの頑強性に寄与していることが明らかになった。また、温度制御下でKaiA-KaiCの相互作用を調べたところ、25-29℃の温度範囲では動的親和性に大きな変化は見られえず、30℃以上では、KaiAとKaiCの親和性が大きく変化することがわかった。プロテアソームα7ホモ14量体のα6による2ステップ解体過程:領域内共同研究としてプロテアソーム構成タンパク質α7ホモ14量体がα6により解体される過程を観察した。α7-14量体をアミノシランで化学修飾したマイカに強固に吸着させると14量体が自発的に7量体に分離する様子が見られた。さらに,α7-7量体リングの中心孔にα6サブユニットが結合・解離を繰り返し、時間経過とともにα6が中心孔に強固に結合することが分かった。また、積層した7量体リング間に隙間が経時的に生じ、そこにα6が結合する様子が観察された。これらのことから、α7-14量体のα6サブユニットによる解体は、リング積層間隙へのα6の...