PIV計測では、流速を非接触で計測できる上、同時多点計測が可能であるため、従来の流速計測法と比べ計測時間を大幅に短縮することができる。さらに水の流れを可視化して計測を行うため、流れを目視によって確認しながら計測できるという副次的な利点もある。このようにPVIはきわめて有力な流体観測法であるが、計測パラメータの設定に関して試行錯誤を伴うことが多く、良質なデータを得ることは必ずしも容易ではないことも多い。 本研究では、現有のPVI計測システムにおける計測パラメータ、すなわち基準枠サイズと追跡枠サイズの設定指針の確立を目的とし、多様な流速分布が実現できる開水路バックステップ流れを対象として、PIVの測定制度について検討した。検討にはLDA計測を併用し、LDA計測によって得られた計測地を真値とみなし、これらとPIV計測結果を比較することによりPIVの測定精度を検討した。その結果、基準枠は輝度値の2次元分布パターンを比較する画素サイズであり、明確な分布パターンから得られる枠サイズとしなければならないため、原則として得られたビデオ画像の観察結果から決めざるを得ないことが示された。一方、追跡枠は、当該計測点の輝度値パターンの移動先を探す範囲であり、対象となる流れ場の最大流速および撮影時のフレームレート、1ピクセル当たりの空間分解能とフレームレートによって、計測できる最低流速が決まっていることも合わせて示された。Particle Image Velocimetry(PIV) is a method for measuring velocity distribution of fluctuating water flow or air flow through the digital ima...