The ecological and taxonomical study on the living ostracods from coral reefs in the Sckisci-sho area, Ryukyu Islands, Japan

  • 田吹, 亮一
  • 野原, 朝秀
  • Tabuki, Ryoichi
  • Nohara, Tomohide
Publication date
April 1992
Publisher
田吹亮一

Abstract

平成3年度文部省科学研究費補助金(一般研究C)研究成果報告書研究概要:本研究の目的はサンゴ礁域の底生貝形虫の生態分布を明らかにし、未記載種の分類学的記載を行う事にあった。従来、サンゴ礁域の貝形虫の分布はドレッヂにより採取された表層堆積物試料からの主に遺骸(殻)標本を基にする事が多く、その場合、殻は潮流等により容易に本来の生息域から運ばれる事から、生態分布については大まかな結果しか得られなかった。本研究では堡礁型サンゴ礁の石西礁において、1990年9月、SCUBAを用い、15m以浅の海域で実地に海底の様子を確認しつつ、調査、試料採取を行い、礁湖および礁斜面の10地点より合計30サンプルを採取した。各サンプルについて、貝形虫'生体'、200個体以上を目処に拾い出しを行い、結果として、Podocopa目40属76種、Myodocopa目2属2種を同定した。さらに、出現頻度の高いPodocopa目30種については、その分布と底質の種類との関連より、3つの貝形虫種群に大別した。即ち(1)砂底に特有な貝形虫種群(2)岩礁やレキ上に生育する藻類(大型,微小)に特有な貝形虫種群(3)底質の種類に関係なく出現する貝形虫種群の3つである。底質以外の環境要因の内、海水の水温、塩分濃度、溶存酸素量については調査域内の変化の幅が小さい事もあり、貝形虫種の分布との関連ははっきりしないが、水深や水塊が外洋水の影響を受けているかどうか等との関連で分布パターンが変化する種がいくつか認められる。未記載種は50以上あり、その分類学的記載は進行中である。種レベルの記載については化石化しにくいため、通常、古生物研究者が扱わない、いわゆる軟体部-付属肢や雄性生殖器-についても殻とともに検討した。その成果の一例として、石...

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