人が亡くなったときにその遺体をどうするのかについては,さまざまな慣習がみられる。すなわち,遺体を埋葬するのか否か,埋葬する場合にはそれをどのような手順でおこない,そこに墓石や墓碑などを置くのかといった,埋葬方法や墓の装飾様式などは,地域や集団によって,また時代によってもさまざまなかたちをみせる。本稿では,ヒンバなどの事例を参照しつつ,墓と,遺された/生きる者たちの営みとのかかわりについて考察する。ヒンバは南部アフリカにくらす牧畜民であり,他のさまざまな集団とのかかわりや植民地統治(委任統治)の影響を受けつつ,それぞれの時代の状況に応じて大小の範囲を移動し,家畜を連れて遊動生活をおくってきた。そうしたなかで,彼らは遺体を埋葬する習慣をもち,そこに墓石などを置いて埋葬場所を明示する。さらに近年では,死者の年齢や性別によっては氏名や生没年の他,ウシや銃などさまざまなモチーフを刻んだ墓碑を築く事例も少なくない。本稿ではそうした墓の様式の実態と変化を概観し,さらには,どこに墓を築くかという遺体の埋葬場所の選択や,実際の埋葬(式)のようす,墓参りとそれに連動しておこなわれる通過儀礼などに着目して,おもに生きている者の側の観点から墓をめぐる人びとの実践について検討し,考察をおこなった。その結果,第一に,墓の場所の選択は,埋葬された死者のみならず遺された/生きる者にとっても重要な意味をもち,そこには,死者の社会的な地位や権力を誇示しつつ,それらを手がかりとして生きる者たちが土地とのつながりを示し,社会的・政治的な力と権利を表現しうる側面があることを明らかにした。第二に,葬礼や2~3年に一度おこなわれる墓参りは,さまざまな通過儀礼と連動しつつ,墓に埋葬された故人(祖先)と生きている者たちとのつ...
2011年3月に発生した福島第一原発事故は,東日本大震災を引き金にして起きたものであったが,その原発事故により広大な国土が放射能に汚染され,国土の一部は長く人が住むこともできない大地となり,また今後長...
application/pdf漁村から町場や農村への魚行商は、交易の原初的形態のひとつとして調査研究の対象となってきた。しかし、それらの先行研究は、近代的な交通機関発達以前の徒歩や牛馬による移動が中心...
本稿は日本古代国家の租税免除制度について、法制・実例の両面から検討することにより、律令国家の民衆支配の特質とその展開過程を明らかにすることを目指した。律令制において租税制度を定めた篇目である賦役令の租...
application/pdf人が亡くなったときにその遺体をどうするのかについては,さまざまな慣習がみられる。すなわち,遺体を埋葬するのか否か,埋葬する場合にはそれをどのような手順でおこない,そこに墓...
遺跡や竪穴住居等の遺構の少ない近畿・中国地方における縄文時代の集団動態論は,遺跡を列記していく空間軸と,土器型式ないし相対的な時期表現の目盛りからなる時間軸とで構成される,<遺跡の消長>と呼ばれる図表...
application/pdf1965年4月に発足したベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)は,戦後日本における市民運動としての反戦平和運動の展開のなかで大きな役割を果たした。このベ平連の運動を牽引した...
本稿は、紀州藩十代藩主徳川治宝の雅楽をめぐる動向に注目し、彼において雅楽という音楽や楽器はいかなる意味をもち、またどのように雅楽と関わっていたのかということを、「西浜御殿舞楽之図」(和歌山市立博物館蔵...
妙見信仰は北極星や北斗七星を神格化した信仰である。古代、中近東の遊牧民や漁民に信仰された北極星や北斗七星への信仰は、やがて中国に伝わり天文道や道教と混じり合い仏教に取り入れられて妙見菩薩への信仰となり...
application/pdf本稿は近代日本における「民俗学史」を構築するための基礎作業である。学史の構築は、それ自体が「比較」の実践であり、その学問の現在のありようを相対化して再考し、いわば「総体化...
application/pdf本論文は消費の民俗学的研究の観点から、沖縄県南部に位置する斎場御嶽の観光地化、「聖性」の商品化の動態を民族誌的に論じたものである。二〇〇〇(平成一二)年に世界遺産登録され...
1930年代には言論統制が強まるなかでも,民族論を超克し,金石併用時代に鉄製農具(鉄刃農耕具)が階級発生の原動力となる余剰を作り出す農業生産に決定的な役割を演じたとされ始めた。戦後,弥生時代は共同体を...
本稿は,『毎日新聞』の社会部記者であった内藤国夫(1937~1999年)を中心に,東大闘争の専従記者が「1968年」報道にいかに携わったのかを明らかにする。第1節では,運動学生の行動動機を顧みずに,か...
本研究の目的は,看護職者のキャリアディベロップメント支援のための継続教育プログラムの構築の基礎資料を得るために,A県下の看護職者のがん看護に関する学習状況やキャリア志向の実態を明らかにすることである....
本稿の目的は、韓国・咸安城山山城出土新羅木簡(以下、城山山城木簡と称す)の性格を、木簡の現状観察や、日本古代の城柵経営との比較を通じて、浮かび上がらせることにある。城山山城木簡は、考古学的な調査成果か...
本稿はいわゆる株座的な形態を持つ口丹波に存在する南丹市園部町竹井の祭祀組織がどのような構造を有しているのかを検討し、株座的な祭祀組織の形態が何故、現在まで維持されているのかについて論じたものである。竹...
2011年3月に発生した福島第一原発事故は,東日本大震災を引き金にして起きたものであったが,その原発事故により広大な国土が放射能に汚染され,国土の一部は長く人が住むこともできない大地となり,また今後長...
application/pdf漁村から町場や農村への魚行商は、交易の原初的形態のひとつとして調査研究の対象となってきた。しかし、それらの先行研究は、近代的な交通機関発達以前の徒歩や牛馬による移動が中心...
本稿は日本古代国家の租税免除制度について、法制・実例の両面から検討することにより、律令国家の民衆支配の特質とその展開過程を明らかにすることを目指した。律令制において租税制度を定めた篇目である賦役令の租...
application/pdf人が亡くなったときにその遺体をどうするのかについては,さまざまな慣習がみられる。すなわち,遺体を埋葬するのか否か,埋葬する場合にはそれをどのような手順でおこない,そこに墓...
遺跡や竪穴住居等の遺構の少ない近畿・中国地方における縄文時代の集団動態論は,遺跡を列記していく空間軸と,土器型式ないし相対的な時期表現の目盛りからなる時間軸とで構成される,<遺跡の消長>と呼ばれる図表...
application/pdf1965年4月に発足したベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)は,戦後日本における市民運動としての反戦平和運動の展開のなかで大きな役割を果たした。このベ平連の運動を牽引した...
本稿は、紀州藩十代藩主徳川治宝の雅楽をめぐる動向に注目し、彼において雅楽という音楽や楽器はいかなる意味をもち、またどのように雅楽と関わっていたのかということを、「西浜御殿舞楽之図」(和歌山市立博物館蔵...
妙見信仰は北極星や北斗七星を神格化した信仰である。古代、中近東の遊牧民や漁民に信仰された北極星や北斗七星への信仰は、やがて中国に伝わり天文道や道教と混じり合い仏教に取り入れられて妙見菩薩への信仰となり...
application/pdf本稿は近代日本における「民俗学史」を構築するための基礎作業である。学史の構築は、それ自体が「比較」の実践であり、その学問の現在のありようを相対化して再考し、いわば「総体化...
application/pdf本論文は消費の民俗学的研究の観点から、沖縄県南部に位置する斎場御嶽の観光地化、「聖性」の商品化の動態を民族誌的に論じたものである。二〇〇〇(平成一二)年に世界遺産登録され...
1930年代には言論統制が強まるなかでも,民族論を超克し,金石併用時代に鉄製農具(鉄刃農耕具)が階級発生の原動力となる余剰を作り出す農業生産に決定的な役割を演じたとされ始めた。戦後,弥生時代は共同体を...
本稿は,『毎日新聞』の社会部記者であった内藤国夫(1937~1999年)を中心に,東大闘争の専従記者が「1968年」報道にいかに携わったのかを明らかにする。第1節では,運動学生の行動動機を顧みずに,か...
本研究の目的は,看護職者のキャリアディベロップメント支援のための継続教育プログラムの構築の基礎資料を得るために,A県下の看護職者のがん看護に関する学習状況やキャリア志向の実態を明らかにすることである....
本稿の目的は、韓国・咸安城山山城出土新羅木簡(以下、城山山城木簡と称す)の性格を、木簡の現状観察や、日本古代の城柵経営との比較を通じて、浮かび上がらせることにある。城山山城木簡は、考古学的な調査成果か...
本稿はいわゆる株座的な形態を持つ口丹波に存在する南丹市園部町竹井の祭祀組織がどのような構造を有しているのかを検討し、株座的な祭祀組織の形態が何故、現在まで維持されているのかについて論じたものである。竹...
2011年3月に発生した福島第一原発事故は,東日本大震災を引き金にして起きたものであったが,その原発事故により広大な国土が放射能に汚染され,国土の一部は長く人が住むこともできない大地となり,また今後長...
application/pdf漁村から町場や農村への魚行商は、交易の原初的形態のひとつとして調査研究の対象となってきた。しかし、それらの先行研究は、近代的な交通機関発達以前の徒歩や牛馬による移動が中心...
本稿は日本古代国家の租税免除制度について、法制・実例の両面から検討することにより、律令国家の民衆支配の特質とその展開過程を明らかにすることを目指した。律令制において租税制度を定めた篇目である賦役令の租...