[要旨] 大脳皮質で認知される感覚情報は,その大部分が視覚に依存することから,認知過程を理解するためには,視覚情報処理過程を明らかにする必要がある.しかしながら,網膜から大脳皮質に至る初期視覚系においても,その処理様式は未だ十分に理解されていない.本研究では,視神経および視索を経て網膜から大脳皮質へと中継する外側膝状体における視覚情報の投射像を得ることを目的として,神経節細胞の時空間応答特性を再現する網膜神経機構モデルに対し,網膜から外側膝状体への投射像を算出するためのリマッピング・アルゴリズムを提案した.提案アルゴリズムにより,網膜モデル出力の投射像を求めた結果,細胞間の位置関係が保たれたまま中心窩方向への細胞の寄せ集めが実現され,視神経束断面における視覚情報表現の可視化ならびに外側膝状体の入力情報を算出するための手段が得られた.[Abstract]Since the majority of the sensory information to the brain is visual information, it is necessary to elucidate the information processes of the visual system to understand the cognitive functions of the brain. However, the neural coding is not yet understood enough even in the early visual system, from retina to primary visual cortex. In this study, we developed a re...