A research on the rent of the US military bases in Okinawa prefecture

本稿は沖縄の住民自治組織の中でも「自治会」（ここでは町内会，部落会，区会などの総称として用いる）に焦点を絞り，これが異質の組織特性を持つのではないかと，現地における実証調査を重ねて得た以下の仮説の経験的妥当性如何を問おうとするものである。沖縄は地域的に南部（島尻郡），中部（中頭郡），北部（国頭郡）に分けられ，それぞれ歴史的，文化的な特徴ある相違をつくりだしてきた。その意味ではこの仮説を一般化するにはやや危惧を抱くが（特に南部と中北部との相違は大きい），さらに検証を要するとはいえ概して沖縄村落社会の特性を示すのではないかと思われる。(1) 環節型社会：シマ社会の“永遠性”。琉球王府以来のムラ名がこんにちまで100年以上にわたって継続している。(2) 二重構造の住民組織：「郷友会」という名の住民間境界。特に軍用地接収によって中部，北部に見られる構造がある。(3) 行政・住民組織間の強い親和性affinity：村屋・字事務所の諸機能が1947 年内務省訓令第4 号（町内会部落会制度の廃止）発布後も行政末端機関として事実上継続する。郷友会住民間境界混住化町内会自治会環節型社