Hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase部分欠損症により急性腎障害を来した乳児例

症例は生後5ヵ月の男児で、2週間前に離乳食を開始したところ嘔吐が出現し、近医にて急性胃腸炎として希釈ミルクを頻回に与えるよう指導されたが、徐々に哺乳量が減少し、活気不良となり、当院へ救急搬送された。搬送直後、心室細動を来たしたため、直ちに心肺蘇生を行った。心肺蘇生直後の検査所見では高K血症、非乏尿性の腎機能障害、著明な高尿酸血症、重度の代謝性アシドーシスを認めた。当初、高度脱水による急性腎障害(AKI)を考え、補液および持続的血液透析濾過を施行し、腎機能障害、高尿酸血症、代謝性アシドーシスは速やかに改善した。第18病日に離乳食を開始したところ嘔吐、哺乳不良を認め、再び非乏尿性の腎機能障害、高尿酸血症、代謝性アシドーシスが出現した。その後の検査でHypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase部分欠損症の診断に至り、診断確定後は重炭酸、アロプリノールの投与を開始し、高尿酸血症、アシドーシスは改善し、AKIもみられなかった。2歳6ヵ月の現在、発達および腎機能は正常である