封建制度成立期の研究において、旧来兎もすれば、上部構造と下部構造とを夫々別箇に、切り離して取扱う嫌いがあつた。従ってレーエン制と農奴制とは、法制史研究と経済史研究という個々別々の研究分野に、跼蹐せしめられ勝ちであつた。然し乍らこれらは、互に切り離して扱うことを許さない、重要な一面をもつている。いわば両者は相互に、社会史を交渉の「場」としているのである。ここで「共同体」をその主要テーマとし、家父長的家共同体から秘密共同体、更に土地共同体への変貌過程を考察し、封建制度成立期の社会変革を示さうと試みたのである。「共同体」の段階的発展がこれであつて、この運動を媒介として、レーエン制と農奴制との結合が、美事に構築される。その担い手こそ土豪領主であり、彼等こそこの劃期における「村作り」の運動を、主体的に推進したのである。本稿の意図は、その過程の分析にある。In the foregoing studies of the earlier stages of feudalism (Lehenswesen), its underlying stratum, the serfdom (Grundherrschaft) was often treated seperately. This was why the legal and social history formed a seperate field of study and no attempt was made to bridge between. This essay on the history of community is a contribution to the adequate explanation of the conn...
The article deals with the changes in the legislation on the alienation of land for public purposes ...
西部フランスに典型的な散居集落については、従来あまりにも居住単位の分散および牧場経営の面のみが強調されて来たが、これは改めて考え直す必要がある。筆者が昨夏行つた実態調査によれば、エカールでの生活は、小...
一〇七四年、ドイツのケルンに勃発した市民の大暴動は、富裕商人のグループによつて指導されたコンミューン運動の先駆的なものとして知られている。都市がコンミューンを確立するためには、都市領主との間に数次にわ...
共同体の立地する地域の面積・入口には一定の法則がある。ムラから国家共同体に至るまで、各位相の共同体のテリトリーの結合様式にも、一定の秩序と組織がある。別稿「地域の階層的結合について」(地理学評論二八の...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、李朝初期に全面的に改編した郡県制とは、専制王権が実現する地方官制の確立過程である一方、それを「本貫」地としながら自己を形成してくる土姓士族、とくにその同族集団によ...
本稿は紀州藩の村についてその集落構成を主として日高川流域を例にとり考察したものである。一村が一集落から成る場合は別として、幾つかの集落から構成せられている場合に、その構成集落を小名と呼んだ。その場合に...
publisher奈良"本稿は、現在の日本社会が抱えている社会的な問題のうち、特に都市におけるコミュニテイの喪失とその影響について着目し、その問題を解決するためのアプローチとして「ある社会が持つ問題解...
ここで十世紀王朝国家土地制度というのは、延喜荘園整理令を含む十世紀初頭の土地制度の改編で出発し、大体十一世紀中ごろまで続いたもので、それは私領と対立する意味の公田を国司に維持させることを中心にして構成...
延暦年間、大土地所の進展でゆらぐ律令体制のたてなおしが試みられるが、その際支配者側は、民要地という形で耕地部分を国家の手に把握し、それ以外の山林・原野を農民の形成する共同体の規制力を利用して、大土地所...
個人情報保護のため削除部分ありシモン・ド・モンフォールの乱として知られているバロンの反乱は、マグナ・カルタ成立後五十年、一三世紀後半のイギリス社会の発展を背景にした貴族による国政改革運動である。従来こ...
個人情報保護のため削除部分あり永原慶二氏の中世「小村=散居型村落」論に関する歴史地理学的再検討を行なった。薩摩国入来院の場合、中世前期の在家は広い薗畠と結合して概ね台地上に集落を営み、畠作農業を基盤と...
友愛会は日本労働総同盟の前身である。それは幸徳事件以後のきびしい取締の中で、日本最初、かつ最大の全国的労働団体として発展した。しかしこれに関する研究は全くなされていない。その理由の一半は、この団体が労...
個人情報保護のため削除部分あり十六世紀初頭の中國においては、大土地所有者の納税忌避に始まる税糧額の恒常的缺如(虚糧) が問題となつたが、その辦済は結局直接生産者佃戶層への追徴加税(包賠) によつて賄わ...
中部アンデス地域には古くから ayllu とよばれる共同体の存在が知られていた。これはもともと拡大家族を単位とし、地域内婚によつて結合された一種の生活共同体であるとともに、耕地や灌漑水路・牧地を共有し...
個人情報保護のため削除部分あり今日の縄文時代集落論の課題として、(一) 集団がどのような諸関係を持ち、どのようにしてこの諸関係が一定の関係(構造) として統合されているのか、(二) 諸関係および構造の...
The article deals with the changes in the legislation on the alienation of land for public purposes ...
西部フランスに典型的な散居集落については、従来あまりにも居住単位の分散および牧場経営の面のみが強調されて来たが、これは改めて考え直す必要がある。筆者が昨夏行つた実態調査によれば、エカールでの生活は、小...
一〇七四年、ドイツのケルンに勃発した市民の大暴動は、富裕商人のグループによつて指導されたコンミューン運動の先駆的なものとして知られている。都市がコンミューンを確立するためには、都市領主との間に数次にわ...
共同体の立地する地域の面積・入口には一定の法則がある。ムラから国家共同体に至るまで、各位相の共同体のテリトリーの結合様式にも、一定の秩序と組織がある。別稿「地域の階層的結合について」(地理学評論二八の...
個人情報保護のため削除部分あり本稿は、李朝初期に全面的に改編した郡県制とは、専制王権が実現する地方官制の確立過程である一方、それを「本貫」地としながら自己を形成してくる土姓士族、とくにその同族集団によ...
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一〇七四年、ドイツのケルンに勃発した市民の大暴動は、富裕商人のグループによつて指導されたコンミューン運動の先駆的なものとして知られている。都市がコンミューンを確立するためには、都市領主との間に数次にわ...