アメリカにおける若年妊娠・出産(teen pregnancy and childbirth)は、若者の重大なリスク行動として多大な関心が払われてた。ところがこうした問題行動は、ここ30年ほどで大幅な減少傾向にあることが統計的に明らかになっている。このような、アメリカにおける若年妊娠・出産の減少傾向は、学校等で実施される性教育の充実・発展と無関係ではない。と言うのも、2010年代に入るとアメリカでは、オバマ政権下で自己責任教育プログラム(personal responsibility education program, PREP)が推進されることになるのだが、この自己責任教育こそが若年妊娠・出産の予防において重要な役割を果たしていると考えられるのである。そこで本稿では、この自己責任教育の概要について述べたうえで、幾つかのそのプログラムの実際を分析し、その特徴及び今後の課題について整理・検討していく。In the United States, great interest has been paid to teen pregnancy and childbirth as serious risk-taking behaviors of the youths. However, it becomes clear statistically that these problematic actions are showing a tendency to decrease for these past 30 years in America, and this tendency is not unrelated to enhancement and development of th...