Studies on mechanism of action of vasoconstrictors as potentiator in local anesthesia

局所麻酔薬適用局所部位における微小血管に対して, adrenalineはα_1,α_2のいずれの受容体を介して血管収縮をもたらすかを明らかにすることは, アドレナリン作働性神経支配機構を探る上からも, また局所麻酔薬に配合する血管収縮薬の選択においても重要な示唆を与える。そこで局所麻酔薬の効力検定法を用いて, 次のような薬物の応用下における血管収縮薬の局所麻酔増強作用を検索した。即ち, α_1受容体のagonistであるphenyle-phrine, α1受容体遮断作用とα_2受容体のagonistとしての両作用を有するergotamine, およびdihydroergotamine, α_2受容体遮断薬yohimbine, さらにβ受容体のagonistであるisoprenaline等を使用し, 局所麻酔作用の効力検定としては, モルモット丘疹法およびモルモット角膜法の2つの方法が用いられた。これら薬物は種々なる濃度に, lidocaine溶液に配合したものが用いられた。その結果, adrenalineの局所麻酔増強作用の機序として, adrenalineの血管収縮作用に基づく, 注射局所からの局所麻酔薬の吸収遅延によること, さらにこのadrenalineの血管収縮作用は, 末梢の微小循環系においては, α_1受容体の方がα_2受容体よりもより重要な役割を果していることが明らかにされた