Evaluation of Halitosis patients by Gas Chromatography

口臭を訴える患者の口腔内気体から, ガスクロマトグラフィを用いて口臭の主原因と考えられている3種の揮発性硫化物(硫化水素, メチルメルカプタン, ジメチルサルファイド)を検出し, 歯科臨床におけるガスクロマトグラフィの有用性について検討した。口臭を訴える21名の外来患者について, 先ず口臭の有無とその程度を臭い判定者が嗅覚によって判定し, 次いで口腔内気体を採取してその中の揮発性硫化物を検出し, 両者間の関係を調べ, さらにその5症例については, 歯口清掃後にも同様のことを実施して歯口清掃の影響について調査した。嗅覚による判定で口臭なしと判定された12名では, 揮発性硫化物の存在を示すピークは存在しないか, 存在しても低いピークが認められるのみであった。一方, 嗅覚による判定で口臭ありと判定された9名で, 必ずピークが存在し, その約1/3には高いピークとして示された。また,歯口清掃による口臭減少の効果を5名について観察したところ, 歯口清掃後に揮発性硫化物の低下がすべてにおいてみられ, その効果のあることが確認できた。以上のことから, ガスクロマトグラフィを用いて口臭患者の口腔内気体中の揮発性硫化物を検出することは, 口臭についての診断と治療効果の程度の判定に有用であると考えられた