【目的】 チェルノブイリ原発事故後の欧州において内部被曝管理に用いられたソフトウェアにつき、日本の環境に合致させるための構造変更を試みた。さらに、医療被曝を含め個人の放射線被曝に関する情報を統一的に扱うことが本研究の到達目標である。 内部被曝の管理を目標に仏国放射線防護評価センター(CEPN)においてCOROPREが開発された。CEPNからこのソースコードを入手し、日本の環境で用いるために構造や値の変更を行い、日本版として使用するための改変を検討した。日本では、全国各地で生産された様々な食物が産地や出荷日を表示して陳列され、消費者は選択して購入できる。食材ごとに放射能測定が行なわれ、データが発表されている。日々の食事も毎日同じメニューは少なく、日々多様な食材を用いた多種の料理を食するのが一般的である。従い、原ソフトウェアのように食材単位ではなく、料理の単位で管理を行なう方が理に適っている。【方法】仏国CEPNで開発されたCOROPREのソースコードを入手し、以下の構造および値の変更を行った。(1) 放射性物質量情報テーブルを追加し、産地と出荷日で食材の放射性物質量を管理する(2)料理の素材と分量を材料テーブルに格納し、それらの情報から料理テーブルで料理を構成し、料理単位の放射性物質量を自動計算する(3)原ソフトウェアでは摂取形態によりテーブルを分けていたが、摂取情報をまとめた。開始日と終了日が同一であれば一時的摂取、それ以外は常態摂取とした【結果】日本版CORPOREにおいて、データベース構造の変更を行うことにより、日本の食環境を反映することができた。【結論】日本版CORPOREにおいて、データベース構造変更によって日本の食環境を忠実に反映し、原ソフトウェアより可用性の高いソ...