『しんにほんごのきそ』Iの会話文のうち,「か」疑問文の文末イントネーションについて,共通語話者の発音をテープにとり,調査者3名が聴覚的印象から上昇調か非昇調か判定して分析した。その結果,文末が上昇調で発話されない場合があること,その要因として音声的特徴,コミュニケーション機能,ディスコースのタイプの三つが取り出せることがわかった。また,調査者3名の間で,上昇と非昇の判定に不一致がおこること,その要因として「カ」の直前の音が無声化した場合に「カ」が強く聞こえ,これを上昇ととる聞き手がいること,コミュニケーション機能やディスコースの面から非昇調で発話される傾向の高い文は,あいまいな調子になりやすく結果として判定がゆれることが示唆された。 The three researchers in this project recorded Tokyo native speakers\u27 renditions of the -ka questions (sentences ending in -ka) taken from the conversations in the textbook, Shin Nihongo no Kiso I, and analyzed the sentences according to whether the sentence-final intonation was rising or non-rising. It was found that the sentences were not always spoken with a rising intonation and that this could be attributed to three ...