本稿は、京都に息づく伝統産業に携わる職人さんの現場に足を運び、そこから得られた環境経営手法を基に今後の日本のものづくりの方向について考察したものである。 江戸のまちは資源が循環する優れたサスティナブル(持続可能)な社会だったと言われている。すべての資源が様々なビジネスを通して無駄なく循環しており、現代社会において学ぶべき点が多々存在する。一方、古都・京都のまちでも古くから持続可能でチャレンジ精神に富んだ様々な産業が芽生え継承され、江戸に劣らないサスティナブルものづくりが根付いている。 今、日本の製造業には地球への負荷を最小限に抑えた「持続可能なものづくり」による特徴ある環境経営が強く求められている。そこでヒントを求めたのが、昔から脈々と続いてきた京都の伝統産業に携わる「匠たちによるものづくり」の世界である。自然から得る資源に感謝し、長く使えるよう真心を込めて一つひとつ丹念に作り上げる。そんな匠のものづくりの実態を調査することによって、原点に立ち返り、ものづくりの理想の姿を見出すことが出来た。In this report, we would like to look at the direction to the future manufacturing in Japan based on environmental management method by visiting on the scene of mister man who involved traditional industry in Kyoto. In the city of Edo, it is called the superior sustainable society. All materials a...