我々が生活紫外線として通常最も多く浴びる紫外線である長波長紫外線(UVA)の皮膚真皮の主要構成細胞(Fibroblast)に対する影響について検討を行った。照射エネルギー設定のため,ヒトが日常生活で表皮を透過し,皮膚の構成細胞に浴びる種々の光電磁波を測定する目的で,50μmのヒト新鮮皮膚を用い,波長特性別光源の皮膚透過率を測定した。UVA光源ランプの皮膚層を透過するエネルギーは56.6%,UVB光源ランプでは45.7%であった。若年者と高齢者に与えるUVA商社の影響の違いについて検討するため,若年者(4ヶ月,8ヶ月,2才)由来細胞3種と高齢者(63才,85才,88才)由来細胞3種の非露光部の皮膚真皮より樹立し,継代培養した細胞を使用して実験を行った。UVAのエネルギー強度は,通常我々が晴天時に暴露されると推定される最大量(4000μw/cm2/sec)を各細胞に照射した。細胞へのUVA商社による影響の測定は,DNA剛性の変化を見るため,3H-thymidineの取り込みにより,総DNA量の測定およびラジオオートグラフィーによる不定期DNA合成測定実験を行った。また,Collagen剛性の変化を見るため、3H-thymidineの取り込みとCollagenase消化法によるCollagen合成活性試験を行った。若年者と高齢者の比較では,高齢者細胞に有意なDNAの合成量と合成率の低下が見られ,UVA照射による不定期DNA合成応答も低下していた。Collagen合成に関する比較で,高齢者細胞に有意なCollagen合成活性の低下が見られた。若年者細胞には照射後に有意なCollagen合成の増加応答が見られたが,高齢者細胞ではほとんど見られなかった。これらの結果より,皮膚がUVA暴露...