電磁超音波共鳴法(EMAR法)は,非接触で超音波を送受信できる電磁超音波探触子(EMAT)に超音波共鳴法を適用した方法で,接触に関するエネルギー損失がないので,材料の高精度の超音波減衰係数測定が可能である.本研究ではEMAR法を用いてオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lのクリープ損傷を評価した.クリープ試験は大気中973Kの温度下で数種類の単軸応力下でおこなった. クリープ進行に伴う1-8MHzの周波数範囲における超音波減衰を測定した.超音波減衰は音速よりもクリープ損傷に敏感に反応した.クリープ寿命の60~70%の間で超音波減衰は極大値を示した.これは負荷応力に依存していなかった.この現象はクリープの進行にともなう転位組織の変化、特に転位の可動性、に起因することがわかった.そのことは透過型電子顕微鏡による転位組織の観察から裏づけられた.EMAR法は金属材料のクリープ損傷評価と寿命予測を行える可能性を持っている.Electromagnetic acoustic resonance (EMAR) is a contactless resonant method with an electromagnetic acoustic transducer (EMAT). This method is free from extra energy losses, resulting in the measurement of intrinsic ultrasonic attenuation in solids. In this study, the EMAR was applied to detect the creep damage of an Austenite Stainles...