相対性と絶対性が作用において統合化される「現実的実在(actual entity)」(ホワイトヘッド)の領域に視点を置いて人間存在について考察していく。現実の実体領域においては,流動的な機械論的プロセスが存在するのみである。われわれはそこにある在り方を唯物論的科学主義とする。 これに対して,現在においては把握しきれない動的な存在がある。それは,目に捉え難い存立態である。それをわれわれは,プロセスにある作用という態様においてのみ認知することができる。例えば,水の流れに見ることができるように。それはパースペクティブを有するという在り方で,前方に想念できるという態様でしか捉えられない。 存在の確実性を保持する為の「人間の生の流れ」として本文に述べている福祉性の価値方向がその理論的パースペクティブの核に位置づけられる。その福祉性こそ「現実的実在」を解きほぐす鍵となるThis study considers human existence on the premise of the “actual entity” domain (Whitehead), which integrates relativity and absoluteness in operations. The existence of actual substance domains is constituted from fluid mechanistic processes. This interpretation of existence is understood to be materialistic scientism. However, dynamic existences that ca...