公共施設マネジメントにおける市民討議会の活用 : 盛岡市における無作為抽出による不偏性の高い市民意見聴取の取組み

  • 上森 貞行
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Publication date
March 2015

Abstract

人口減少時代に入り、財政のひっ迫が続く中、公共サービスの量的な拡充は難しい局面に入り、計画的な縮小が必要となっている。しかし、サービス拡充の考えからの転換は難しく、計画的な縮小の必要性は認識されるものの、対立する考えに折り合いを付け、直面する課題を前に進めようとする機能がうまく働かなくなっている。従来の利益配分とは異なり、負担配分をめぐる利害調整は大きな困難に直面している。一方、市民による討議や熟議により、住民に寄り添いながら、実現可能性との折り合いを見つけ、利害調整を図り結論を見出していくプロセスが求められる。しかし、現在の市民討議会は、真に解決が必要な課題を議論することが少ない状況にある。こうした中、盛岡市は公共施設の老朽化問題という、これまでにないテーマで市民討議会を活用し、合意形成に取り組んでいる。その内容を分析し、公共施設マネジメントにおける市民討議会の活用の有効性と課題を明らかにした。The population decline and fiscal exigency of our day make it difficult to qualitatively expand public services, which now require systematic reduction. However, transitioning from service expansion to eduction is not simple. While the need for systematic reduction is widely recognized, systems for evaluating opposing ideas and meeting challeng...

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