韓国第2期量刑委員会が新たに設定した量刑基準（1）

筆者はさきに「韓国量刑委員会が設定した最初の量刑基準（1）、（2・完）（比較法雑誌44巻3号（2010年）471頁以下、同巻4号（2011年）211頁以下）において、2009年4月24日に議決された「殺人、賄賂、性犯罪、強姦、横領・背任、偽証、誣告」の7つの犯罪群を対象とする量刑基準、および2010年7月15日に議決された性犯罪の量刑基準の修正について邦訳して紹介した。 ただ、上記量刑基準の施行後に韓国においては、自由刑の長期の引き上げを含んだ刑法改正がなされたため、量刑基準を修正する必要が生じ、第2期量刑委員会は、「刑法改正等による量刑基準の修正」を2011年3月22日に議決し、同量刑基準の修正は同年4月15日に施行され、同修正に関しては、「韓国量刑委員会が設定した最初の量刑基準（補遺）」（比較法雑誌45巻2号（2011）263頁以下）において邦訳して紹介したが、第2期量刑委員会は同時に、「略取・誘拐、詐欺、窃盗、公文書、私文書、公務執行妨害、食品・保健、麻薬犯罪」の新たな8つの犯罪群に対する量刑基準も設定した。 そこで本稿においては、わが国における量刑基準に関する研究の用に供するために、第2期量刑委員会が設定した新たな犯罪群に対する量刑基準を邦訳して紹介することとする