本報告書は、平成11~13年度科学研究費補助金基盤研究(B)(2)「親の学校参加に関する国際比較研究-学校と親のパートナーシップ関係形成を中心として」の中間報告書である。 いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊などの病理現象をきたし、社会変化に十分に対応しきれていない学校教育について中央教育審議会が、家庭における子どもの初期教育をサポートする施策の必要性を提言(『新しい時代を拓く心を育てるために』平成10年6月)し、より一層地域に開かれた学校づくりのために学校評議会を設け、評議員の中に保護者を含むこと(『今後の地方教育行政の在り方について』平成10年10月)を答申したことは周知のとおりである。これらの政策提言を受け文部省は、学校を地域社会にひらく施策の一環として、平成12年4月から学校ごとの裁量で学校評議員を導入することとした。国内各地での試みは緒についたばかりである。 本共同研究は、「親の学校参加」に関する諸外国における理論、政策、実践レベルでの参考となる事例を収集・比較することを通じて、わが国の現状によりふさわしい親の学校参加方式のモデルを検討することを目的としている。 本報告書では、研究の第1年次と2年次における海外現地調査で得た情報を各分担者の責任において記録したものである。ここには、(1)各国の「親の学校参加」の現状の紹介と、今後役立つと思われる、(2)主要資料の翻訳とその解説、(3)文献・ウェッブサイトー覧などを可能な範囲で収録してある。なお、当初計画の中には予定されていなかった国内の動向についても第2年次には訪問調査を行い、その記録も末尾にあわせて収録した