調査研究の結果を要約すると次のようになる。 1.結婚年齢は、各地域とも夫は「26~28歳まで」が最も多く、妻は「22~24歳まで」が最も多かった。年齢差は3.1歳であり、当時の全国平均とほぼ同じであった。しかし、西高の夫・妻の年齢差は、全国的な平均よりも大きかった。 2.我が国の結婚の特徴として、結婚式と婚姻届の間に多少の時間的ずれいわゆる内縁関係があることは、よく知られている。それを婚姻届出までの期間でみると、届け出が遅れたものは佐治(農村村)が最も多く約6割を占め、浜坂(都市近郊住宅地)、遷喬(市街地)では2割以下であった。挙式後1ヵ月以上届出をしなかったものは佐治で4割余、浜坂、遷喬では1割余であった。1年以上しなかったものは佐治で8.9%、浜坂、遷喬では1.5~4.3%であった。 西高は佐治に次ぐ傾向を示し、世代的にみて慣習によるものと思われる。 3.届出遅延理由は、各地域とも「特に理由なく怠慢のため」「差当り必要を感じなかったので」という届出に対する認識不足と思われるものが、全体の約3割を占めていた。また、「入籍のことは親まかせにしていた」「子供ができる(懐妊又は出産)まだ待っていた」という「家」制度的内縁理由も夫の側に若干みられ、それは、農村あるいは40~50代にあった。 4.各地域とも結婚への契機は、「紹介」が過半数を占め、相手は、佐治では地域とのつながりの中で決め、浜坂、遷喬では偶然の機縁で決めていたことが多い。 また、相手の決定要因は佐治の夫・妻、西高の夫が「性格」「健康」「愛情」の順であったが、浜坂、遷喬の夫・妻、西高の妻は「性格」「愛情」「健康」の順であり、各地域とも「生活能力」の重視は夫よりも妻の方が多かった。申し込み経路は、佐治、浜坂、西高では「仲人...