第1報において筆者らは,非繁殖期のコリデーノレ種雌羊を短日処理すると,長日から短日に変化してからほぼ40~50 日で人工的に発育を誘起できること,しかし第1回の発情では多くの場合妊娠しないこと,しばしば弱い子羊を生産することなどを報告した. 短日処理によるめん羊の人工発情誘起法は,長期間を要する,管理に手数を要するなどの問題を有するが,反面最近数多く報告されているホノレモン処理法では,高価な薬品を相当量使用する他,その効果が比較的確実でない欠点が指摘される. 筆者らは,両方法の併用法,すなわち強度の短日処理1週間(以後ホルモン処理終了まで同一日照時間維持)―黄体ホノレモン25mg/ 日x3~5 筋注-2 日後P.M.S. 750 i. u 筋注法の効果を試験した.またこの場合短日処理は,厚い黒頭巾を雌羊の頭に被せ,明るい羊舎内に放置する簡便法によった. 1959~1961 ,6回に亘り21 頭を試験したが,発情と認められたもの19 頭(90%) ,妊娠―分娩,卵巣所見―黄体・グラーフ卵胞の存在により確実に発情と認められたものは17 頭, 81%に達した.また第6回試験では併用法による4頭をホルモン処理法による3頭と比較したところ,確実に発情したもの前者100% に対し,後者は33%であった. 黄体ホルモン処理日数を3日に短縮しでも5日間の処理となんら差異を認めなかった. 強度の短日処理により,下垂体機能の亢進乃至反応閥値の低下など,本併用法による人工発情誘起のメカニズムについても論議した. なお処理羊はP.M.S. 筋注後2日目に最も多く発情し, GORDON (1958) の報告と一致した.Following decreasing daylight treat...