本研究は幼児の心の育みとなる飼育動物を介在した教育の指針を策定することを目的とする。幼稚園で飼育している高齢ウサギに子どもたちはどのように思いを寄せ,その過程で子どもの心がどう育まれるのか,ということを子どもの姿から見とり,そのためにどのような教師のかかわりが大切であるのかを明らかにしていく。研究の方法は,年長児が職員室で飼育しているキララにかかわっている様子や,当番活動の様子,日々キララについて話題にしているときの子どもたちの様子を参与観察しエピソードとして記録し,キララとのかかわりを通して子どもたちの心がどのように育まれているか考察していくこととした。この研究により,飼育動物の様子を知り,思いを寄せるための小さな積み重ねを支える教師のかかわりや場の設定・身近なモデルとしての教師の存在・子どもの思いや行動を価値づける教師の援助・飼育動物のためを考えてできることをやってみる姿を支える教師のかかわり・子どもの思いを丁寧にみとり,飼育動物とかかわる過程を大切にする教師のかかわり・自分の思いに向き合えるような場の設定や教師のかかわりといった教師の環境・援助が大切であることが明らかになった。This study aims to formulate Animal-Assisted Education guidelines. It was hypothesized that children would experience mental growth through formulating a relationship with a rabbit. We examined the process of mental growth and the ways in which teache...