衛生状態が異なる2つの養豚農場において肥育された豚の血清および口腔液を材料とし,各種病原体の浸潤状況をPCR およびELISA により,また,ストレスマーカーとしてIL-18,Cortisol およびIgA をELISA により調査した。血清中にPorcine reproductive and respiratory syndrome virus(PRRSV) およびSalmonella typhimurium( ST) O4 抗体が検出され,かつ口腔液中にPRRSVおよびSwine influenza virus(SIV)遺伝子が検出されたH 農場の豚群では,いずれも陰性であったX 農場の豚群に比べて血清中IL-18 が有意に高かった。慢性ストレス条件下で低下するとされる血清中IgA はH 農場の豚群では低値のまま抑えられる傾向にあった。実際に,試験期間中のH 農場の事故率はX 農場に比べ約1.4 倍高く,X 農場に比べてH 農場では,一日あたりの増体成績も低く,出荷日齢も遅れたことは,H 農場の衛生状態の悪さが反映されていたと考えられた。以上の結果より,血清中IL-18 の定期的なモニタリングは養豚農場の衛生状態を評価するための有用な指標の一つとなりうると考えられた。To evaluate the hygiene status of two different pig production farms, their pathogen invasion status was determined by PCR (Porcine reproductive and respiratory syndrome virus (PRRSV), Porcine circovirs typ...