Aggression in Interactional Humor : An Analysis of an American Television Drama Discourse

ジョークは一般に、笑いをもたらすものとしてのポジティブなイメージが想起されやすく、反面その負の側面はしばしば捨象される傾向にある。しかし、ユーモア研究の分野においてはジョークの受け手の笑い以外の反応に着目するなどしてその埋もれがちな負の側面を分析する研究も散見されている。その中でもNorrick（1994）は仲間内でのユーモア使用を観察する中で、ジョークの持つ攻撃性について言及しており、普段からジョークを交わすような遠慮のない間柄ならば、攻撃性の高いジョークであってもその使用が許容され、さらにそれが仲間内の結束性を高めると指摘している。本研究ではとくに相互作用的ユーモア（interactional humor, Brône 2008)に着目し、Norrick（1994)が指摘したジョークの内包する攻撃性について、その度合いと、それが使用される二者間の関係性の強さとの相関をドラマコーパスを使用した分析において探った。分析の結果、ジョークの持つ攻撃性の度合いと人間関係性の親疎度合いとには相関があることが判明した。しかし、今回の分析で扱ったデータは人工的な会話であるドラマコーパスを使用したものであるため、今後は自然会話を対象とした追加分析が必要になると考えられる。言語