Impacts of Information Technology on Society : Information, Intellectual Property and Coordination Mechanism

本論文では、情報技術の発展と拡大が経済活動や経済組織に与える影響について、３点に分類して整理した。第一に、情報技術の発展と拡大という意味での「IT化」の一つの側面は、情報量の爆発、経済のスピード化・グローバル化であり、既に奥野［1999］で「情報化」として提起されている。第二に、情報技術の発展の重要な側面として、財・サービスの「ディジタル財」化、「ディジタルサービス」化があげられる。情報がディジタル信号化されたことにより、完壁に近い複製が殆ど無コストで作成可能となった。最後に、情報技術の発展と拡大という意味での「ＩＴ化」の鍵概念と思われるにもかかわらず、情報化から抜け落ちている論点として、「電子的プログラムによるコーディネーションの補完」があげられる。情報通信技術の進歩は、人、物、組織のコーディネーションを電子的プログラムに「補完」させることによって、コーディネーションコストを著しく低下させ、より正確なコーディネーションが可能になった。この結果、従来、無理な形でバンドルされていた要素や部品がアンバンドルされ、より自然な形でリバンドルされ、モジュール化やオープン化が促進されていると考えられる。奥野正寛, 池田信夫編著. 情報化と経済システムの転換. 東洋経済新報社, 2001, p. 3-40.本文フィルはリンク先を参照のこ