1986年11月21日に伊豆大島のカルデラ床で発生した割れ目噴火について,外輪山北東端と元町郊外で撮影したスチール・フィルムなどをもとに外形上の発達の推移を調べた.三原山の山頂火口から北へ約1km離れたカルデラ床でF1が16時15分に開口し,白煙に続いて灰色の噴煙と赤熱物が噴出した.追いかけるようにF1の南東側にF2が開口した.続いて,16時27分にF3がF2の南東側に,16時40分にF4がF3の南東側にそれぞれ開口した.全体としてみれば,噴火割れ目は北西から南東に,低地から高地に向けて次々に開口した.各割れ目は開口直後に約25m/minの速さで両方向にそれぞれ拡大した.噴火割れ目からの赤熱噴出物は火のカーテンの観を呈した.F1とF2は一列の噴火割れ目になり,それとF3はミ型に雁行した.噴火の勢いは16時50分頃から著しく増大した.火柱の高さはそれまで平均15m/minで増していたが,16時50分過ぎから100m/minの速さに変わった.火柱の高さは17時10分頃に最高の1.6kmに達し,その後しだいに低くなった.火口列の全長はちょうど1.0kmに達した.On the evening of November 21, 1986, new fissure eruptions occurred on the caldera floor of Izu-Oshima Volcano, Japan. The sequence of their formation is studied on the basis of time-printed photographs which were taken in succession by the authors at close range d...