「境界」という概念は、近年人文諸科学において重要な概念の一つとなっており、周知のようなにさまざまな領域で活発に論じられている。しかし本書の鍵概念である「身体境界」は、文化人類学や社会学ではなく精神医学および臨床心理学で用いられてきた概念であり、本書が問題にするのは集団ないし社会における境界ではなく、個人と外部との間の境界である。すなわち、本書は折口信夫・釈迢空という個人の身体境界感覚を理解しようとするものである。以上のような点を考えてみると、本書が独自の位置を占めることが理解されよう。著者津城寛文氏は予て鎮魂について研究をすすめており、本書に先行して姉妹篇ともいうべき『鎮徳行法治-近代神道世界と霊魂論と身体論』(春秋社、90年4月、以下『行法論』)を著している。津城氏は既に『行法論』で、身体境界概念を用いて大本系、川面凡児、田中治吾平、宮地厳夫の鎮魂行法を論じているが(『行法論』、第7章「鎮魂行法の身体論とその類型化-宗教的身体境界の観点から」)、本書、津城氏独自の概念である「透過的身体境界」を用いて、折口信夫の鎮魂論と釈迢空短歌の同一基盤の探求を試みた意欲作である。【書評
中谷孝雄「春の絵巻」(「行動」一九三四年四月)は、京都を舞台に行動する学生が主人公であることから、従来から作家の伝記事項に還元する読みが、研究の磁場を形成してきた。本論では、そうした作家論的解釈では見...
publisher奈良近世初期、慶長から元和にかけて京都に篠屋宗礀という儒学者がいた。ほとんど無名の存在だが、断片的な資料からその交際圏を探ると、里村紹巴・惟杏永哲・剛外令柔・文英清韓・林羅山・松永尺...
20世紀末今日、地球規模での社会的病理現象が多発し、「病める青年」が増加していると言われる。特に、日本における現代青年は戦後以来、平和のうちに物質的豊かさを満喫し、安眠を貪り、いつのまにか「飽食の時代...
publisher奈良筆者はこれまでにいくつかの拙稿に於て宝暦から寛政までの京都宗匠による月並発句合を取り上げ、主に入選句披露摺り物(以下「丁摺」と言う)を手がかりとしてそのありようを考察して来たので...
これまでの『山の音』研究では、伝統的な分野においては『源氏物語』ばかりに焦点があてられ、能や謡曲について触れたものは少ない。『山の音』には、能面や謡曲「卒都婆小町」に関する記述が多くみられるにも関わら...
Publisher奈良葉山嘉樹は明治二十七年三月十二日、福岡県豊津村(現在豊津町)大字豊津六百九拾五番地に生まれω、大正二年三月二十二日福岡県立豊津中学校(現在福岡県立豊津高等学校)を卒業、三月二十九...
官地民木とは,国が土地を所有し,住民がそこに生立する立木を所有する形態の森林であり,制度上は国有林に区分される。官地民木は,わが国の林政史において極めて希な形態であり,その大部分は青森県津軽地方に偏在...
「審美的意識の性質を論ず」(一八九四・九-一二)で自己の美学的立場を明確にした島村抱月は、基本的にその立場に依拠して、「辞の美なる所以」を解明する作業に着手することになった。今日的視点からみれば、アリ...
[[abstract]]想要逃離哲學,哲學的門反而打開了。 兩個高中生,在小徑遇上十三位哲學家,交換對世界的疑問和解答。 一本教你深刻思考、靈活表達的哲學入門書。 這裡是迷惑的人偶爾會誤入的「哲學...
琉球,是位於環東支那海東方的小島。初期王權,由三個國家各自獨立割據,且相互爭權,因此琉球境內十分混亂,是為三山分立時代。 1372年,中國明太祖派遣使者至琉球,向琉球宣達向其朝貢的旨意。該年,因中...
[出版社版] 本稿では,形容詞的用法になりやすい動詞の特徴を,他動性という観点から統一的な説明を試みた。これは,形容詞的用法が「タ」形を取るか「テイル」形を取るかというアスペクトの形式を議論する以前の...
publisher奈良古代・中世の奈良に関する歴史研究は、かなり豊かな質量を誇っている。そうした学問的成果や雰囲気の故であろうか、現代の奈良は近世や近代をとびこえて、古代・中世史的理解によって解釈され...
宇江佐真理氏の時代小説『通りゃんせ』は、初出『野性時代』掲載時には「本所八名川町」と地名表記されたが、単行本及び文庫出版に際し「深川八名川町」と訂正された。出版社校閲より江戸八名川町は本所ではなく深川...
禅の悟道の精神を表した「名詩」として親しまれている七言絶句がある。第一句の「尋春不見春」と第四句の「已十分」の二か所を除いて、詩句が少しずつ異なる複数の本文が数多く存在するだけでなく、異なる複数の作者...
青森 本研究では成長期における運動負荷の特性が、成体期の酸化ストレス度、抗酸化能、骨形態、筋組織に及ぼす影響について動物実験を行った。 その結果、酸化ストレスは運動強度や運動時間、運動内容によっては...
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