森林土壌の生態系機能を維持管理する上で,土壌特性と環境要因の関係を理解することは重要 である。急峻な地形を有する秩父演習林では,その土壌特性が植生のみならず,標高や傾斜度,曲率などの地形によって規定されると考えられる。そこで,本研究では,深度別の土壌特性(pH,全炭素量,全窒素量,CN 比)と,植生(樹木の種多様性,針葉樹率)および地形(標高,傾斜度および斜面方位,曲率,累積流量)の関係を報告し,土壌特性に対する各環境要因の相対的重要性を調べた。土壌pH は土壌が深くなるにつれ上昇し,標高と樹木の種多様性は有意な負の関係を示していた。土壌特性と各環境要因の関係を線形混合モデルにより解析した結果,表層土壌のpH については標高と植生が最も重要な変数であった。一方で,深度10-20 cm と20-30 cmの全窒素量においては,南側で流速が小さい場所で多くなる傾向が示され,地形が標高や植生より土壌特性に強い影響を及ぼし得ることが明らかとなった。これらの結果から,森林の土壌特性に対する局所的な地形や標高に沿った植生変化の重要性が示唆された。It is important to understand the relationship between environmental factors and soil properties in managing the ecosystem functions of forest soils. In the University of Tokyo Chichibu Forest (UTCF), located in a steep mountainous region, soil properties are prescribed by to...
天塩研究林は北緯45度に位置し、日本最北の森林帯に属している。面積は約22,000haで、問寒別川を挟んで蛇紋岩が広く分布する東側にはアカエゾマツ純林が、新第三紀層の西側では針広混交林が成立している。...
官地民木とは,国が土地を所有し,住民がそこに生立する立木を所有する形態の森林であり,制度上は国有林に区分される。官地民木は,わが国の林政史において極めて希な形態であり,その大部分は青森県津軽地方に偏在...
本研究では,西駒ステーションの山地帯から亜高山帯にかけての林分構造を調査し,西駒ステーションにおける里山利用の履歴について考察した。調査の結果,小黒川左岸の山地帯上部から亜高山帯下部にかけては,コメツ...
本論文では,アカエゾマツを植栽する上での適地を明らかにするため,地形,特に斜面方位,斜面傾斜角に対する反応性についての解析を行っている.調査地は九州大学北海道演習林内の10,11年生アカエゾマツ人工林...
房総半島南部に位置する東京大学千葉演習林の東部地域において山中の炭窯跡を探索し,その分布や立地,微地形,形状,材質などの実態を調査した。発見された対象炭窯跡66 個の実態は多様であったが,形状では円形...
霧島山系小池の小扇状地に成立する渓畔林において7 年間における森林動態を調査し, 既報で推定された河川縦断方向に沿った攪乱体制および地表面の安定性の変異を検証する とともに,扇状地内で多様な林分構造が...
東京大学大学院農学生命科学研究科附属北海道演習林,秩父演習林,千葉演習林,愛知演習林の4演習林は異なる気候帯に位置し,それぞれ特徴的な地質を持ち,植生にも各演習林の特色が見られるため,それらの独自色を...
本稿では、東北日本を対象として、1980年代以後の国有林野事業の変化と地域的な特性について検討した。対象地域は、旧。青森、秋田、前橋営林局の管内(東北6県と栃木・群馬・新潟県)である。その結果、以下の...
本論文は,わが国の中山間地域の代表とも言える広島都市圈太田川上流域を対象として,今後の効率的な下水道事業のあり方について検討したものである。具体的には,実際の事業計画をもとに,集合処理事業と個別処理事...
現在の野辺山地区は戦後の開拓によって高原野菜の産地として繁栄している。反面,この地区を代表する原野草地は次第に減少し,管理方法や利用形態の異なる様々な植生が存在している。今回は,このような異なる様々な...
九州大学宮崎演習林では1980 年頃からシカの個体数増加に伴い落葉広葉樹林林床のスズタケ(Sasa borealis(Hack.)Makino et Shibata)の衰退がみられ, 三方岳団地の多く...
本研究は0年生から40年生のミズナラ造林地において下層種であるミヤコザサを含む植生構造の造林後の林齢によって生じる変化が,土壌の炭素と窒素の蓄積,またC/N比に与える影響を評価した。下層種現存量は造林...
本論文は,九州大学農学部附属演習林福岡演習林内に設置された御手洗水試験流域の土壌の性質と水分特性(透水性と保水性)を報告する.管理放棄されたヒノキ人工林が分布する本流域において,粒径分布,土粒子密度,...
I.緒言 II.従来の知識 III.地形 IV.地質の概要 V.地質詳論(1)層序と岩石 1.時代未詳層群 A.大河内累層(1)概要(2)千枚岩類および砂岩(3)塩基性火成岩類と緑色および赤褐色千枚岩...
尾根から谷に至る斜面上の位置や斜面方位の違いは, 森林生態系の微気象要素に影響し, 土壌にも重要な影響を与えることが知られている。本研究は, 植生分布が詳しく調べられている九州大学北海道演習林内の天然...
天塩研究林は北緯45度に位置し、日本最北の森林帯に属している。面積は約22,000haで、問寒別川を挟んで蛇紋岩が広く分布する東側にはアカエゾマツ純林が、新第三紀層の西側では針広混交林が成立している。...
官地民木とは,国が土地を所有し,住民がそこに生立する立木を所有する形態の森林であり,制度上は国有林に区分される。官地民木は,わが国の林政史において極めて希な形態であり,その大部分は青森県津軽地方に偏在...
本研究では,西駒ステーションの山地帯から亜高山帯にかけての林分構造を調査し,西駒ステーションにおける里山利用の履歴について考察した。調査の結果,小黒川左岸の山地帯上部から亜高山帯下部にかけては,コメツ...
本論文では,アカエゾマツを植栽する上での適地を明らかにするため,地形,特に斜面方位,斜面傾斜角に対する反応性についての解析を行っている.調査地は九州大学北海道演習林内の10,11年生アカエゾマツ人工林...
房総半島南部に位置する東京大学千葉演習林の東部地域において山中の炭窯跡を探索し,その分布や立地,微地形,形状,材質などの実態を調査した。発見された対象炭窯跡66 個の実態は多様であったが,形状では円形...
霧島山系小池の小扇状地に成立する渓畔林において7 年間における森林動態を調査し, 既報で推定された河川縦断方向に沿った攪乱体制および地表面の安定性の変異を検証する とともに,扇状地内で多様な林分構造が...
東京大学大学院農学生命科学研究科附属北海道演習林,秩父演習林,千葉演習林,愛知演習林の4演習林は異なる気候帯に位置し,それぞれ特徴的な地質を持ち,植生にも各演習林の特色が見られるため,それらの独自色を...
本稿では、東北日本を対象として、1980年代以後の国有林野事業の変化と地域的な特性について検討した。対象地域は、旧。青森、秋田、前橋営林局の管内(東北6県と栃木・群馬・新潟県)である。その結果、以下の...
本論文は,わが国の中山間地域の代表とも言える広島都市圈太田川上流域を対象として,今後の効率的な下水道事業のあり方について検討したものである。具体的には,実際の事業計画をもとに,集合処理事業と個別処理事...
現在の野辺山地区は戦後の開拓によって高原野菜の産地として繁栄している。反面,この地区を代表する原野草地は次第に減少し,管理方法や利用形態の異なる様々な植生が存在している。今回は,このような異なる様々な...
九州大学宮崎演習林では1980 年頃からシカの個体数増加に伴い落葉広葉樹林林床のスズタケ(Sasa borealis(Hack.)Makino et Shibata)の衰退がみられ, 三方岳団地の多く...
本研究は0年生から40年生のミズナラ造林地において下層種であるミヤコザサを含む植生構造の造林後の林齢によって生じる変化が,土壌の炭素と窒素の蓄積,またC/N比に与える影響を評価した。下層種現存量は造林...
本論文は,九州大学農学部附属演習林福岡演習林内に設置された御手洗水試験流域の土壌の性質と水分特性(透水性と保水性)を報告する.管理放棄されたヒノキ人工林が分布する本流域において,粒径分布,土粒子密度,...
I.緒言 II.従来の知識 III.地形 IV.地質の概要 V.地質詳論(1)層序と岩石 1.時代未詳層群 A.大河内累層(1)概要(2)千枚岩類および砂岩(3)塩基性火成岩類と緑色および赤褐色千枚岩...
尾根から谷に至る斜面上の位置や斜面方位の違いは, 森林生態系の微気象要素に影響し, 土壌にも重要な影響を与えることが知られている。本研究は, 植生分布が詳しく調べられている九州大学北海道演習林内の天然...
天塩研究林は北緯45度に位置し、日本最北の森林帯に属している。面積は約22,000haで、問寒別川を挟んで蛇紋岩が広く分布する東側にはアカエゾマツ純林が、新第三紀層の西側では針広混交林が成立している。...
官地民木とは,国が土地を所有し,住民がそこに生立する立木を所有する形態の森林であり,制度上は国有林に区分される。官地民木は,わが国の林政史において極めて希な形態であり,その大部分は青森県津軽地方に偏在...
本研究では,西駒ステーションの山地帯から亜高山帯にかけての林分構造を調査し,西駒ステーションにおける里山利用の履歴について考察した。調査の結果,小黒川左岸の山地帯上部から亜高山帯下部にかけては,コメツ...