【緒言】間質線維化反応(Desmoplastic Reaction : 以下DR) とは,間質で線維芽細胞などが増生する状態を指し,癌が浸潤する際に発育先進部において認められる.早期大腸癌において,DRは粘膜下層浸潤の有無を判定する際の指標として用いられてきた.一方,進行大腸癌においては,発育先進部におけるDRが予後予測因子となるとの報告が散見される.本研究の目的は,進行大腸癌の発育先進部におけるDRの臨床的意義を明らかにすることである.【方法】2006年1月から2011年12月までの間に当科でRO切除されたpT3以深Stage II / III大腸癌のうち,家族性大腸腺腫症および炎症性腸疾患合併症例を除外した173例を対象とした. DRの診断は,病理組織診断時に切除検体から作製された全てのHE標本を観察して行われた. DRは原発巣の壁深達度が漿膜下層以深に及ぶ領域を観察して診断し,細い膠原線維が多層性に形成される成熟型(Mature : 以下DR1),癌発育先進部の間質中に好塩基性の太い膠原線維の束からなるケロイド様線維が認められる中間型(Intermediate : 以下DR2),やや好酸性の粘液様間質で囲まれたケロイド様線維が不規則に認められる未熟型(Immature : 以下DR3)に分類した.そして,DRと臨床病理学的因子との関連について解析し,DRと無再発生存率との関連を検討した.さらに,診断者間の一致度を評価するため,二人の診断医が独立してDRを評価した.診断の一致度は,k統計量を用いて評価した.【結果】対象173例中DR1が87例(50.3%),DR2が65例(37.6%),DR3が21例(12.1%)であった. DR3は,静脈侵襲あり(P=0.026),リン...
【背景】脳梗塞後の回復期において, 機能回復を促進させる治療法の確立が望まれているが, 未だ臨床応用はなされていない. 血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth fac...
本研究ではブタ卵管上皮細胞の無血清培養法を検討し,この培養法によってブタの卵管上皮細胞から産生されるタンパク質の解析と培養上清中の高分子画分の細胞増殖活性を探索した. 未成熟のブタの卵管をEDTAとコ...
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA) が, 医療関連感染の主要な原因菌として1980年代から登場し, 増...
【緒言】近年, 本邦における潰瘍性大腸炎の患者数は増加傾向である. それに伴い潰瘍性大腸炎の長期経過例も増加し, 潰瘍性大腸炎の慢性炎症粘膜を発生母地とする大腸癌, およびその前癌病変と考えられるdy...
【緒言】神経侵襲は大腸癌根治切除後の予後不良因子の一つとされている. 過去の報告では, 神経侵襲はHE染色で診断されていることが多い. しかし, 神経侵襲の診断においては, 癌の間質反応によって誘導さ...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4421号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第820号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2017. 131(11), 635-...
【緒言】近年, 切除可能な大腸癌肝転移に対して腫瘍の生物学的評価や潜在的転移巣の治療, 切除範囲の縮小を目指した術前化学療法を行う機会が増えてきているが, 術前化学療法を施行した大腸癌肝転移における適...
侵襲や炎症の定量的指標としては一般的にCRPが用いられているが, CRPは遅延型急性反応物質であり, 急性相反応を反映する指標として一般化され普及しているものはほとんどない. 近年好中球から分泌される...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4423号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第822号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2015. 129(6), 309-3...
【目的】 エリスロポエチン (EPO) のホモ受容体 (EPOR/EPOR) は主に赤血球系細胞に発現し造血に重要な役割を果たしている. 一方, 造血以外の脳・肝・腎ではEPOのヘテロ受容体 (EPO...
博士(医学)信州大学(Shinshu university)Doctoral医学甲第1122号雑誌に発表。SHINSHU MEDICAL JOURNAL. 66(2):131-137 (2018)
【はじめに】KOH-コラゲナーゼ法は, 組織の結合組織線維成分を除去することで, 残った細胞成分を走査型電子顕微鏡(走査電顕)で立体的に観察することができるようにする手法である. 本研究では, この方...
脳梗塞急性期の治療として行われる組織プラスミノゲンアクチベーターによる血栓溶解療法(tPA療法)は, 機能予後の大幅な改善が望めるが, 治療開始時間が遅れた場合, 血液脳関門 (blood brain...
【背景と目的】生体吸収性材料を用いた心血管グラフトはグラフトの吸収とともに自己組織によって置換されるため, 既存の非吸収性グラフトで見られる不具合 (血栓閉塞, 感染, 成長能の欠如) を克服できる可...
信州大学(Shinshu university)博士(医学)雑誌に発表。SHINSHU MEDICAL JOURNAL. 66(2):131-137 (2018).Thesis深澤 歩. Predic...
【背景】脳梗塞後の回復期において, 機能回復を促進させる治療法の確立が望まれているが, 未だ臨床応用はなされていない. 血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth fac...
本研究ではブタ卵管上皮細胞の無血清培養法を検討し,この培養法によってブタの卵管上皮細胞から産生されるタンパク質の解析と培養上清中の高分子画分の細胞増殖活性を探索した. 未成熟のブタの卵管をEDTAとコ...
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