【目的】大腸癌肝転移と肝内胆管癌は両者ともに腺癌であり, 画像検査や腫瘍マーカー等も類似した所見を示すことが多い. 今回我々は, 術前に肝内胆管癌との鑑別が困難であり, 切除標本の免疫組織化学により診断可能となった胆管浸潤を伴う大腸癌肝転移の2例を経験したので報告する. 【対象・方法】対象となった2例はいずれも過去に大腸癌に対する根治手術を施行されていた. 腹部CT検査で胆管浸潤を伴う肝腫瘤を指摘され, 術前に大腸癌肝転移と肝内胆管癌との鑑別は困難であった. 切除標本の免疫組織化学により, 両者の鑑別診断を行った. 【結果】「症例1」: 71歳, 男性. 直腸癌Stage Iに対する手術施行後4年7か月の腹部CT検査で肝右葉に腫瘤を指摘された. 肝内胆管後区域枝および尾状葉枝に拡張を認め, 胆管浸潤が疑われた. 肝内胆管後区域枝および尾状葉枝に腫瘍栓を認め, 肝右葉切除・尾状葉切除・肝外胆管切除が施行された. 「症例2」: 75歳, 女性. 上行結腸癌Stage IIに対する手術後2年5か月の腹部CT検査で肝後区域に腫瘤を指摘された. 大腸癌肝転移を疑われ, 全身化学療法を施行されたが反応性は明らかでなく, 腫瘤の胆管浸潤も認められるようになったため, 肝右葉切除・肝外胆管切除が施行された. いずれの症例も, 腫瘍細胞はCytokeratin(CK)7陰性, CK20陽性を示し, 組織学的に大腸癌肝転移と診断された. 【考察】胆管浸潤は肝内胆管癌に特徴的な画像所見とされている. 今回経験した大腸癌肝転移の2例はいずれも胆管浸潤所見が認められ, 肝内胆管癌との鑑別は画像上困難であった. 両者の鑑別診断に際しては大腸癌既往に関する情報が重要であるが, 大腸癌原発巣の切除から時間が...
【目的】乳癌に対する手術療法は, 大きく分けて乳房切除手術と乳房温存手術に分けられる. ランダム化比較試験において, 乳房温存手術の局所再発率は乳房切除手術に比して高かったものの生存率に有意差を認めな...
【目的】肺腺癌は多彩な組織像を示すが,現在のWHO分類は発癌原因や臨床経過,遺伝子情報を反映せず有用でない.それぞれの癌細胞の形態によって分類する細胞亜型分類は,多くの癌の発生に重要なp53遺伝子変異...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 乙第2217号. 学位記番号: 新大博(医)乙第1791号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2016. 130(9), 512-5...
【目的】虚血性小腸炎は, 動脈硬化などを背景とした血流障害により, 小腸に虚血性病変が発生する疾患の総称である. 虚血性病変の治癒過程で瘢痕狭窄をきたす場合があり, 外科的治療の対象となる. 今回我々...
劇症型心筋炎は,激しい炎症を伴い発症から回復にかけて心機能が著明に変化する.この経過において,心筋組織中の心筋炎を構成する細胞(心筋細胞,非心筋細胞あるいは炎症細胞)のクロストークが心機能障害の進展抑...
【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩を背景として大腸癌肝転移に対して術前化学療法を実施する機会が増えつつあり,大腸癌肝転移に対する術前化学療法の治療効果を予測することは臨床上,重要な課題となって...
デクスメデトミジンは静脈内投与によって鎮静作用と鎮痛僅用が得られるα_2受容体作動薬であり, 近年, 特に集中治療領域で臨床使用されはじめた. 従来, α_2受容体作動薬としてクロニジンが臨床使用され...
低血糖脳症は, 時に重篤な転帰となる疾患であるが, その治療は血糖補正以外にない. 低血糖脳症の動物モデルとして, 平坦脳波を長時間維持するモデル(低血糖昏睡モデル)と, 平坦脳波に到達させないモデル...
【背景】近年さまざまな幹細胞において,増殖・自己複製に特徴的な場があることが明らかにされつつあり,その特徴的な場はニッチと呼ばれている.マウスの造血幹細胞ではニッチとして骨芽細胞や血管内皮細胞が注目を...
【背景】UCの非腫瘍大腸粘膜や大腸癌, 前癌病変であるdysplasiaでは, 胃型粘液(腺窩上皮型と幽門腺型)の発現があり, 慢性持続性炎症により胃型細胞へ分化形質変化を来した大腸粘膜が癌の発生母地...
【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩に伴い,切除可能な大腸癌肝転移に対しても術前化学療法を行う機会が増えつつある.本研究の目的は,大腸癌肝転移に対する術前化学療法が肝内微小転移巣と肝切除後の再発...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4423号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第822号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2015. 129(6), 309-3...
特発性肺線維症は,慢性かつ進行性の経過をとり,高度の線維化と肺胞構築の改変から不可逆的な蜂巣肺形成に進行する原因不明の疾患である.現在まで有効な治療法は確立されておらず,自覚症状出現後の生存期間は平均...
糖尿病患者の合併症を抑制するために, 生活習慣の改善で効果不十分な場合は薬物療法が必要となる. しかし日本における従来の糖尿病薬物療法には, 長期間に渡り安全に良好な血糖を維持できない, 優先して用い...
【はじめに】KOH-コラゲナーゼ法は, 組織の結合組織線維成分を除去することで, 残った細胞成分を走査型電子顕微鏡(走査電顕)で立体的に観察することができるようにする手法である. 本研究では, この方...
【目的】乳癌に対する手術療法は, 大きく分けて乳房切除手術と乳房温存手術に分けられる. ランダム化比較試験において, 乳房温存手術の局所再発率は乳房切除手術に比して高かったものの生存率に有意差を認めな...
【目的】肺腺癌は多彩な組織像を示すが,現在のWHO分類は発癌原因や臨床経過,遺伝子情報を反映せず有用でない.それぞれの癌細胞の形態によって分類する細胞亜型分類は,多くの癌の発生に重要なp53遺伝子変異...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 乙第2217号. 学位記番号: 新大博(医)乙第1791号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2016. 130(9), 512-5...
【目的】虚血性小腸炎は, 動脈硬化などを背景とした血流障害により, 小腸に虚血性病変が発生する疾患の総称である. 虚血性病変の治癒過程で瘢痕狭窄をきたす場合があり, 外科的治療の対象となる. 今回我々...
劇症型心筋炎は,激しい炎症を伴い発症から回復にかけて心機能が著明に変化する.この経過において,心筋組織中の心筋炎を構成する細胞(心筋細胞,非心筋細胞あるいは炎症細胞)のクロストークが心機能障害の進展抑...
【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩を背景として大腸癌肝転移に対して術前化学療法を実施する機会が増えつつあり,大腸癌肝転移に対する術前化学療法の治療効果を予測することは臨床上,重要な課題となって...
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低血糖脳症は, 時に重篤な転帰となる疾患であるが, その治療は血糖補正以外にない. 低血糖脳症の動物モデルとして, 平坦脳波を長時間維持するモデル(低血糖昏睡モデル)と, 平坦脳波に到達させないモデル...
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【緒言】近年の大腸癌に対する化学療法の進歩に伴い,切除可能な大腸癌肝転移に対しても術前化学療法を行う機会が増えつつある.本研究の目的は,大腸癌肝転移に対する術前化学療法が肝内微小転移巣と肝切除後の再発...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4423号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第822号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2015. 129(6), 309-3...
特発性肺線維症は,慢性かつ進行性の経過をとり,高度の線維化と肺胞構築の改変から不可逆的な蜂巣肺形成に進行する原因不明の疾患である.現在まで有効な治療法は確立されておらず,自覚症状出現後の生存期間は平均...
糖尿病患者の合併症を抑制するために, 生活習慣の改善で効果不十分な場合は薬物療法が必要となる. しかし日本における従来の糖尿病薬物療法には, 長期間に渡り安全に良好な血糖を維持できない, 優先して用い...
【はじめに】KOH-コラゲナーゼ法は, 組織の結合組織線維成分を除去することで, 残った細胞成分を走査型電子顕微鏡(走査電顕)で立体的に観察することができるようにする手法である. 本研究では, この方...
【目的】乳癌に対する手術療法は, 大きく分けて乳房切除手術と乳房温存手術に分けられる. ランダム化比較試験において, 乳房温存手術の局所再発率は乳房切除手術に比して高かったものの生存率に有意差を認めな...
【目的】肺腺癌は多彩な組織像を示すが,現在のWHO分類は発癌原因や臨床経過,遺伝子情報を反映せず有用でない.それぞれの癌細胞の形態によって分類する細胞亜型分類は,多くの癌の発生に重要なp53遺伝子変異...
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 乙第2217号. 学位記番号: 新大博(医)乙第1791号. 学位授与年月日: 平成30年3月23日新潟医学会雑誌. 2016. 130(9), 512-5...