本稿では、霊元天皇在位時の奥について、天皇の「母」である東福門院の役割に注目し、幕府の動向にも留意して具体的に検討した。天皇幼年時の奥は、東福門院と三条西実教などが統括する体制であった。皇継をめぐって禁闕騒動が起こると、幕府と後水尾院・東福門院は奥の統制を強め、鷹司房子を入内させて皇継問題を整理するとともに、女院を中心に作成された掟書によって、伝奏や禁裏附が「御前」の情報を直接入手する体制が整えられた。しかし奥の争いや天皇の成人により女院の影響力が減退すると、その体制は形骸化していった。女院や後水尾院の没後、天皇は奥の再編成を進め、譲位にあたっては外戚の女中を禁裏奥に配置して院政の基盤としたのである。In this article I examine the developments in the Inner Palace and female officials at the time of Emperor Reigen's accession to the throne, focusing on the role of Tofukumon'in, his mother-in-law, and also heeding the moves of the shogunal government. The Inner Palace during the period of the emperor's childhood was under the control of Tofukumon'in and Sanjonishi Sanenori. When the Inner Palace was thrown into turmoil over the imperial succ...
個人情報保護のため削除部分あり近世の大名諸家においては悪主・暴君を、家老・重臣たちが中心となって強制的に廃位せしめる主君「押込」の行為が存在していた。本行為は家臣の手になる主君廃立行為であり、近世の国...
『うつほ物語』における大宮と女一宮はいずれも臣下に降嫁する。大宮が物語史では珍しい后腹第一皇女の降嫁であったのに対し、女一宮は父帝鍾愛の皇女であることが重要視された。女一宮の后腹ではないという負の面は...
個人情報保護のため削除部分あり鎌倉期公家政権の政治制度史が他に比して大変遅れている中で、本論稿では鎌倉中期以降、公家政権に於て重要な職制と なる院伝奏、および朝幕関係の変化を考える上で重要な関東申次の...
個人情報保護のため削除部分あり少なくとも九世紀末には成立していたと推定される陣定に対する摂関家の支配が確立したのは、道長、頼通という摂関政治の全盛期である。またこの時代に、陣定は国家の重大事から日常政...
皇位継承儀礼において、ある時点を皇位継承時点として意識し、空位を徹底的に避けるようになるのは、律令文書行政が整備された大宝〜養老年間以降のことである。これは、八世紀の天皇が律令文書行政の最高決裁者で、...
個人情報保護のため削除部分あり/ 正誤表あり(57巻3号p.489)周礼に定められている施舎制度は、特別な人には力役を免除するものであるが、この恩典にあずかるものに賢者がある。この賢者は何かと言えば、...
個人情報保護のため削除部分あり幕藩体制確立期における藩主権力の確立は、江戸時代初期の問題として極めて重要である。したがって、藩主権力の確立を示す藩主親政の実態ならびに藩機構の整備を江戸時代初期の時点に...
本稿の主目的は、文久期前半における「皇政回復」という概念の実態を解明することにあり、島津久光の率兵上京に至る薩摩藩の動向を明らかにしつつ、封建諸侯、朝廷および西国志士の具体的な建白等の政見を検証するこ...
平安前期、十世紀中葉にいたって東国の地に反乱が起る。平将門によるものがそれである。この乱がその後の政治過程に与えた影響は決定的とも思われ、「律令国家」の崩壊、武士の発生などの観点から、いままでも分析が...
本稿の主目的は、文久期前半における「皇政回復」という概念の実態を解明することにあり、島津久光の率兵上京に至る薩摩藩の動向を明らかにしつつ、封建諸侯、朝廷および西国志士の具体的な建白等の政見を検証するこ...
漢代から三国魏にかけていずれも上奏文の最終的な裁可は、皇帝が担っていた。裁可の形式について、漢代及び三国魏では、「可」などの裁可を示す文字もしくは赤い鉤印によるものであった可能性が高い。漢魏時代とも皇...
個人情報保護のため削除部分あり元老は慣例として形成され、後継首相推薦などの重要な国務について天皇の諮問を受ける役目を果たした。本稿は元老制度に関し、宮中関係者の手になる「徳大寺実則日記」などの史料を初...
荘園制は、我国中世の基本的土地制度であることは今更いうまでもないが、土地制度としての荘園の研究は、案外なおざりにされている観があり、中世社会経済史研究の一つの弱点となつている。ところで荘園制度は各領主...
十世紀から十三世紀に亘る宋時代における商業の発達という現象は、中国史の流れの中でも一際めだつものであり、いろいろな角度から綿密に考証されねばならぬ。それと密接に関連する、この時代の貨幣経済の発展につい...
弘仁十一年格缩小了由皇后主持的祭祀仪式的范围。也就是、嵯峨天皇之后、原来由皇后主持的祭祀有一些改为由天皇自己亲自主持。此变化从「延喜式」的分析论证可以得到证明。而且、嵯峨天皇以前、皇后与天皇共同举行祭...
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『うつほ物語』における大宮と女一宮はいずれも臣下に降嫁する。大宮が物語史では珍しい后腹第一皇女の降嫁であったのに対し、女一宮は父帝鍾愛の皇女であることが重要視された。女一宮の后腹ではないという負の面は...
個人情報保護のため削除部分あり鎌倉期公家政権の政治制度史が他に比して大変遅れている中で、本論稿では鎌倉中期以降、公家政権に於て重要な職制と なる院伝奏、および朝幕関係の変化を考える上で重要な関東申次の...