個人情報保護のため削除部分あり刀祢とは「トノイリ(殿入) 」を原義とするトネリの略称であり、大王との間に緊密な君臣関係を結んだかつてのトネリを官僚のあるべき祖型とする理念に基づき、有官・無官を問わず、何らかの形で朝廷に仕える者を指す和語すなわち、天皇との君臣関係を表示する和語であった。従来の通説で官人の称呼としてきた「刀祢」は、右の和語が恐らくは八世紀以降に中央でいわば儀式用語として特殊化したものであり、一方同じく都市・村落の有力者としてきた「刀祢」は、その和語がそのまま在地において残存したものであって、主として、郡司以下の官職や「郡散事」といった地位に就くことなく、しかも行政の末端を担う者を表わす語として用いられた。刀祢は従来のごとく両義的にではなく、かく一元的に理解されねばならない。In ancient Japanese historical records, we can find two uses of the word Tone 刀祢. One, which I will call "Tone A, " is a general name for the officials of the bureaucracy, seen mostly in the records of rituals. The second, which I will call "Tone B, " referred to influential men in towns and villages. To this point, there has been no explanation of the relationship between these two types of Tone. T...