関東地方の平地に生息するオサムシ科昆虫の成虫活動における季節変動や,繁殖季節を明らかにするため,1996年4月から12月にかけて東大演習林田無試験地内に4定点を設け,およそ7日ごとのピットフォールトラップによる捕獲調査を行った。捕獲した個体は種ごとに雌雄の個体数と雌の保有成熟卵数を数えた。充分な個体数が得られた種では,調査期間の大部分を成虫として活動しており,捕獲個体数の多かった28種について繁殖型を特定することができた(春繁殖型16種,秋繁殖型12種)。同じ亜属(場合によっては属)に属する種は同じ繁殖型をもち,繁殖季節のピークや雌の最大保有成熟卵数でも同様の傾向を示した。捕獲数から推測される成虫活動の季節変化は雌雄でよく似たパターンを示し,どちらの性が先に出現する傾向があるかについては一部の種を除いて有意差は認められなかった。Carabid beetles were collected weekly by pitfall traps during April to December 1996 to clarify adult seasonal activity changes and reproductive season in the Kanto Plain. The numbers of individuals and mature eggs held by females were counted. Two reproductive types were clearly recognized except in rare species, e. g. spring breeders (16 species) and autumn breeders (12 specie...