Development of a general-purpose algorithm to measure motion and state of attention object - Study report on method of using deep learning for quantitative science research -

本報告文は、深層学習がなぜ高い表現力を持つのかの説明をした後、畳み込み層1相のシンプルな深層学習アルゴリズムを用いて、深層学習はどのように基礎研究に応用できるのかの具体例を示す。その例とは、動画データの中で、注目したい観察対象の位置推定を行い、その推定位置の近傍の画像を用いて観察対象の状態分類の学習を行なえば、高い精度の状態識別が行なえるというものである。具体的に、収縮ユニットであるサルコメアが振動のパターンを作り出している筋原線維に対して、注目するサルコメアの位置を捉えつつ、その注目しているサルコメアが収縮しているか伸展しているかを識別する解析と、手ぶれで揺れる動画の中で電線にとまっている鳥の挙動を識別する解析を、同じ解析アルゴリズムで行なった。どちらの解析でも、数十枚以下の画像による2,30回の学習(CPUノートPCで数秒で完了)で識別率100%の状態認識に至った。すなわち、位置推定などの精密解析を行う際に、その推定位置近傍の微小画像を状態識別に用いることで、手動だと大変でかつ再現性を疑われる、対象の状態に関する情報を容易に取得できることが分かった