Chūkan gengo on'inron kenkyū - itariago bogowasha ni yoru nihongo pitchi akusento no chikaku to seisei no jikken kekka bunseki

本稿の目的は、イタリア人日本語学習者の中間言語の音声的・音韻論的特徴を分析し記 述することである。分析の際、日本語ピッチアクセントの知覚と生成という二つのパラメ ーターを手掛かりとし、2 種類の横断的調査を行った。まず、アクセントの知覚を分析す るための聴取実験であるが、概要は以下の通り。1)学習レベル別の 48 名の被験者に四つの アクセント型を含む無意味語のリストを聞かせ、アクセント核を記させる。2)アクセント 型別正答率の集計結果から、四つのアクセント型の難易度を推定する。3)学習レベル別の 正答率の推移の観察から、習得プロセスを解明する。次に、アクセントの生成に関しては、 学習レベル別の 20 名の被験者にアクセント核をつけた文を読ませ、その音声の録音結果を 音響音声学的に分析する。すなわち、ピッチ、インテンシティー、長さの三つのパラメー ターを測定し、学習レベル別の被験者がどのように音を強調するかを検証する