2型糖尿病を有する独り暮らしの在宅高齢者に対する遠隔看護システムの活用に関する研究

本学は､平成14年4月に｢遠隔看護開発基盤研究プロジェクト｣を立ち上げて遠隔看護システムの開発に着手してきた。平成19年4月から長野県A町で臨床試験を開始するのに合わせ､2型糖尿病を有する独り暮らしの在宅高齢者3名に対して､遠隔看護システムの導入前と､開始後1週間､1ヶ月､3ヶ月の4時点で､インタビューガイドを用いた半構成的面接を行い､面接データの質的帰納的分析を行った。その結果､当該高齢者を対象として遠隔看護システムを有効に活用するためには､ケア提供機関(センター側)によるシステムを用いた細やかな対応とともに､普段から家族や友達との会話にも利活用できることが肝要であり､そのことによって、孤独感や不安の軽減､糖尿病の自己管理及び保健医療福祉の地域ネットワークの構築に貢献できることが示唆された