Construction of Social Comparison Affect Scale.

中学生になると，定期テストが実施されるようになり，否応なしに他者との比較を意識させられるようになる。他者と比較をした際，それをどのように感じ受け止めるのかによって，その後の学習行動は左右され，学習意欲や学業成績に及ぼす影響も異なってくると考えられる。そこで本研究では，中学校入学直後の１年生を対象とし，友人との比較場面におかれた際に抱く感情にはどのようなものがあるのか，社会的比較感情の個人差を測定することのできる尺度を作成することを目的とした。その結果，社会的比較における感情には，自己防衛的・自己卑下的原因帰属や下方比較における他者配慮といった，先行研究では挙げられていなかった感情があることが示唆された。また，上方比較，下方比較どちらにおいても，ポジティブな感情とネガティブな感情があることが明らかとなった